ー Artist Interview

インタビュー|shu ― 光と風のあいだ

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自然の光や風、そして心の揺らぎを、
そっとキャンバスに映し出すアーティスト、shuさん。
その一枚一枚は、まるで自然とともに呼吸しているかのように、
やわらかく、静かな温度を帯びています。

今回は、そんなshuさんの中に流れる“ひかりの源”を、
少し覗かせていただきました。

shuさんの作品には「光」や「風」、そして太陽のようなあたたかさを感じます。
絵を描くときは、まず大きなテーマを決めてから制作に入られるのでしょうか。
それとも、最初に“色”や“感情”といった感覚をもとに筆を動かし、
最後にテーマが自然と浮かび上がってくるタイプですか?

GAROU STAFF
GAROU STAFF

基本的に制作する際は、テーマやタイトル等はあまり考えないで制作に入る方が圧倒的に多いです。 深く考えず、感覚的に描きたい思いが強いので。

今、使いたい色、表現方法などは本当に感覚的なものに任せています。

そうやって描いたものに、光や風などを感じて頂けるのは、田舎で、自然に囲まれた環境で育ったので、無意識に影響を受け、それが作品に反映しているのかもしれません。そう感じて頂けるのは、本当に有難いことです。

作品ごとにまったく違う印象を受けますが、(もちろんよい意味で、です。)
制作のなかで「変えないもの」と「変えていくもの」はありますか?

GAROU STAFF
GAROU STAFF

独学で描いているので、自分でも知らず知らずのうちに、その時、好んでいる画家さんの影響を受け、作品に反映されることがよくあります。

自分でも、作風がコロコロ変わるなぁと、芯がないようで、ネガティブに受け止めていた時期もありますが、定まらないのもまた自分なのか、と半分開き直っていたりもします。笑

変えないものは、強いて言えば、出来れば、見た方にいい影響を与えられる作品に仕上げたいなぁとは思っています。

変えていくものは、なるべく凝り固まらず、柔軟な思考、作風でありたいとは思っています。

shuさんの作品には、ニュアンスの重なりがとても印象的です。
使用される色数や画材も多いのでは?と思うのですが、
実際の制作では、どのように色を作り、重ねていかれるのでしょうか?

GAROU STAFF
GAROU STAFF

色数はどうなんでしょう、、笑
他の画家さんがどれくらい使われているのか、あまり把握していないので、なんとも言えないところですが、ベースの色はおおまかには決めています。

それに、気分であれこれニュアンスで、使いたい色、合うかなって思える色を足して、いい感じになるのを目指しています。笑

画材は他の作家さんに比べたら、少ないのではないのでしょうか?よく分かりませんが。
まだまだメディウムに疎いので、手探り手探りです。日々、勉強です。笑

作品はどれも具象ではないけれど、確かに“温度”を感じます。
「抽象」という形を選ばれている理由を教えてください。

GAROU STAFF
GAROU STAFF

一つは単に飽き性だからです。笑

これを描く!と決めて、根気強く、描き続けるのがとても苦手で、肩が凝って、途中で辞めてしまうことも多々です。

正直、学生時代は具象しか描かないので、美術には苦手意識があり、どちらかと言えば避けていました。

あることがきっかけで、iPadで、抽象のデジタルアートを作り始めたのですが、作り続けているうちに、やはり手描きならではの質感、温度感に惹かれ、独学で見よう見真似で、描き始めました。

それプラス、自分自身が、具象画より抽象画を見て、いろんなことを好きに想像するのが、好きだったこともあります。

一枚の作品を描くとき、色を置いていく順序や時間の流れに、
ご自身の中で“リズム”のようなものはありますか?
午前に描かれることが多い、午後に描く、音楽を聴く——など、
制作にまつわるルーティンがあれば教えてください。

GAROU STAFF
GAROU STAFF

リズムは、、
日中は仕事をしているので、制作はほぼ夜か、休みの日です。

坂本龍一さん、KOKIAというアーティストさんが好きで、大抵それらをかけながら、描いています。
歌詞があると気が散るか、ノリノリになり過ぎてしまうところがあるので、instrumentalか、KOKIA語というKOKIAさん独自の言語で歌われる楽曲を聴いています。

余談になりますが、song of pocchong〜雫の唄という楽曲をぜひ聴いて頂きたいです。森の中にいる気分になれる、五感で感じて頂きたい楽曲です。

順序はあまりこだわりがないです。
短時間で勢いで、一気に仕上げたい気分の時は集中して描きます。

なんとなく、これは少しずつ時間を置いて、仕上げていきたいなと思える時は、ちょこちょこ色を重ね、過程を楽しんで描いています。

shuさんにとって、絵を描く時間はどんな時間ですか?
生活の一部なのか、それとも何かと何かのあいだを満たす時間なのか。
“描く”という行為の始まりにある気持ちを伺いたいです。

GAROU STAFF
GAROU STAFF

絵を描く時間は、今となってはなくてはならない貴重な時間ですね。

表現することが昔から好きで恥ずかしながら、学生時代は詩を書いていました。

大袈裟かもしれませんが、表現しないと生きていけないと言いますか、普段自己主張することを不得手にしている分、何かしらで想いを昇華させたいのかもしれません。

それプラス、証だと考えています。

絵を描く以外に、心を整えるような時間や癒しの瞬間はありますか?
そうした時間が、次の作品へのインスピレーションになることもあるのではと思います。
もしよければ教えてください。(最近自分の中でブームなもの、とかでも)

GAROU STAFF
GAROU STAFF

やはり、自然が大好きなので、煮詰まった時などは特に、自転車でふらりと散策したり、森林浴をしたり、気ままに過ごします。

最後に、今後のテーマや挑戦してみたい表現について教えてください。
これからのshuさんの世界が、どんな色で広がっていくのか楽しみにしています。

GAROU STAFF
GAROU STAFF

今後のテーマといいますか、誰かしらのひかりになりたい、と思っています。

作品自体を見て頂いて、ひかりを見出してもらえたら、とも思いますが、
自身の制作にあたる姿勢、気持ちなど。

一人でもいいです。
誰かに、何かを与えられたら、全てが報われるような気もしています。


風が触れるように、光が差し込むように。
shuさんの絵は、心の奥にある静かな波をそっと揺らします。
自然の呼吸とともに生まれるその筆のあとをたどりながら、
今回は、shuさんの中に宿る“ひかり”の源を覗かせていただきました。

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