インタビュー|Kenshin ― SOUL INK
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GAROU
アーティストになろうと強く志したことはありません。
幼いころは、保育園の先生や母に褒めてもらえるのが嬉しくて、毎日のように絵を描いていました。
ただ、粘土細工は別でした。思うように形にならず、最後まで泣きながら作っていた記憶があります。
当時は本当に下手くそでしたね。扱い方がわからなくて…。
今は趣味程度に樹脂粘土で小さなパンを作るのが好きです。
家族には「何のために作ってるの?」なんて聞かれるんですけど(笑)。
社会人になってから再び絵画教室に通い始めました。
「芸術は自由」と言われてきたのに、実際は技法やルールの多さに驚きました。
自由を求めれば求めるほど、不自由を感じる。これが、私にとっての絵画のジレンマです。
はっきりした形を描くよりも、思い出や感情の「カケラ」を集めて表現するのが得意です。
見る人によっていろいろな解釈ができると思うので、タイトルはつけていますが、あえて見ずに鑑賞していただくのも面白いかもしれません。
抽象画の中に、アクセントとして生き物を描いています。
そこだけ素材を変えて作るのがこだわりで、楽しい部分です。
姪が「見つけた!」と喜んでくれたてんとう虫の作品は、作り甲斐を実感できた瞬間でした。
正直にいうと一定していません。
一気に描き上げることもあれば、電池が切れたように寝込んでしまうこともあります。
自分ではコントロールできず、まだまだ未熟だなと感じます。
東京タワーです。
作品じゃないかもしれませんが(笑)、あの力強さと存在感、忘れられません。
できる限り長く作品に向き合いたいです。
でも生活もあるので、今は近所のパン屋さんで働きながら、夜に制作しています。
パンの材料が余ったときに編み込みパンを作ったら、みんなが喜んでくれて。それだけで満足でした。
歴史上の「甲冑」に興味があります。
時代ごとに意味が変わり、札を一枚ずつ紐で編む職人技には深い美学を感じます。
作ることはできませんが、インスピレーションを受けた作品を表現できたらと思っています。