インタビュー|ao ― ヒカリ ノ カケラ
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GAROU
僕にとっては描くことが自然で、止められなかった。
だから「なる」と思ったというより、「そうなるしかなかった」が近いかもしれません。
一言でいえば「刃の気配」です。
強さや静けさ、緊張感を同時に残せるように描きます。
墨の飛沫や線の勢いは、すべて一瞬の呼吸から生まれるものです。
墨は自由でありながら、裏切る存在です。
思い通りにならないけれど、その偶然が真実を見せてくれることもある。
だからコントロールするんじゃなくて、時に委ねる部分を大切にしています。
ある老人が僕の作品を見て、何も言わずに深く頭を下げてくれたことがありました。
その瞬間、「言葉じゃなく魂で届くものもあること」を感じました。
評価でも賞賛でもなく、ただ心と心がぶつかったような一瞬で。
それが今でも胸に残っています。
廃れた神社や、誰もいない道。
そこに漂う「時代の残り香」からインスピレーションをもらいます。
静かで、強くて、孤独な匂いがする場所だと思うんです。
あと、誰かといて作品が生まれたことはありません。
そういう意味で自分は本当に孤独な人間だなと思ってます。
深く考えたことはなかったですが、
「過去に生きた者たちへの敬意」だと感じました。
彼らが生き抜いた使命や覚悟に比べれば、僕を含め現代に生きる人間の迷いや痛みなんて小さいものだと思うんです。だから、彼らの志を現代に繋ぐために描き続けているんだと思います。
僕にとってSOUL INKはまだ始まりにすぎないんです。 表現の形にこだわらず、最終的には「生き様そのものが作品」と言えることを目指しています。